「エンドロール」と「girlfriend」と「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」 [労働日~非労働日]
(↑高校のときに録音したカセットテープの裏から8年ぶりくらいに出てきた絵。)
(↑朝遅刻ギリギリまでダウンしてたら羅に勝手に盗撮されてた二枚。)
(引くことの『と「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」』)
が、できました。
一応。
1~2ヶ月かけてようやく。
某所のモノローグに、
’06.9.17
1・2・3・4・5・6・7・8、1・2・3・4・5・6・7。
終わりの世界が頭の中で弾ける残酷な始まりに気の利いたことを言えない君と「嘘は言えない」以外の嘘が言えない僕は暗い部屋の中少しも動かず触れ合いもせず不気味なくらいに何も思わない覚悟を決めたと呟くあの子の意識を見てた
例外を交えながら、1・2・3・4・5・6・7・8、1・2・3・4・5・6・7。
ひたすら浮かぶままに、1・2・3・4・5・6・7・8、1・2・3・4・5・6・7。
使えなくても構わない、1・2・3・4・5・6・7・8、1・2・3・4・5・6・7。
数ヶ月前からずっと頭にこびりついて離れないストリングスに乗せて、1・2・3・4・5・6・7・8、1・2・3・4・5・6・7。
と書いてあるから、「エンドロール」は、頭に浮かんでからは実質一年以上経ってようやく、ですか。
ちなみに、「girlfriend」も、ギター一本の原曲(最初は「猫と暮らして~♪猫と死んでく~♪」とか歌ってた)ができたのは2年以上前で、打ち込みを作ったのも一年以上前。
まったく何やってたんだ自分と非常に思うのですが、まあ一応できたし。
一応というのは、ちゃんと納得できてないからです。
歌声はもちろんのこと、編集、ミキシングがどうにもこうにも。
歌声は、すごい難しい曲な上に錆び付いた喉なので結構あっさりと切り上げたんだけど(深夜、ラリってたときに録音したらしい箇所も結構あります)、とにかく音量バランスがわからない。
結構音域が広いので、どうしても声がでかくなりすぎたり小さくなったり。
8チャンネルしか使えないのでなおさら。
今までどんだけ適当にミキシングしてたんだろうとか思っちゃうくらい。
もちろん過去のどの曲も適当ではなかったんだけど、でも大抵の曲は演奏の録音が終わってから数日以内にはミキシングも終えてた。
なのに、今回はどんだけいじくっても納得できない。
耳が肥えたのならまだ救いがあるんだけど。
とにかく、こんなに制作に向き合って頑張ったのは、「ツナ~ツナ」以来です。
(音が割れないように出音アップさせてCDに焼くためだけでも二日間かかった。)
ちなみに、「ツナ~ツナ」(正式名称「ツナがる私と繋がるツナ」)は、↓こんな曲。
「ツナ~ツナ」は、在庫がまだ10枚くらいはあって、もちろん今でも一枚¥500(5曲入り)にて販売中なので、持ってない方はいますぐ僕にメールよこしなさい。嘘です。気に入ってくれて買いたいと思ってくださった方はメールくださいませませ。実はここのプロフィールに捨てアド晒しておりますので。売り上げは、全額そのままツナとムクの養育費(生活費)に充てます。内訳はツナに¥300ムクに¥200です。
・・・とまあ、言い訳とか意図的脱線とかはとりあえずいったんやめて、とりあえずアップしてみます。
まず、「エンドロール」。
(・・あ、聴いていただけるならもちろんヘッドフォン等をパソにぶち込んで聴いたってください<(_ _)>。)
たぶんこれは、歌が乗ってる箇所以外は非常にリズムがわかりづらいので、ハイハット(「チッチッチッチッ」って音)入れたヴァージョンもアップしといてみます。
もいっちょおまけにハイハット入りのインストも。
ドラムの音、現代において打ち込み使って音楽制作している人の大半は、当たり前にスネアとバスドラの音を打ち込む画面を並行に表示させた上で打ち込むことが出来ると思うんですけど、シーケンサーがチープな上に、位相というか、イメージしてた感じに近づけるためにスネアとバスドラの音の位置をずらしたり絶対に被らせないようにしたこともあって、一音一音こつこつと打ち込みました。
でも、そのやり方だとすっげえ時間費やしても数小節分しかできてなくて愕然としたりしたのもあって、結構コピペでごまかしました。
あと、ディレイのように聞こえる左右の声は、実はディレイではなくて、コピペです。
MTRがへっぽこなものですから。
約束通りまず羅に聴かせたところ、羅はこの曲がまだギター一本で弾き語りヴァージョンだったときのことを知っている(その音源を一ヶ月以上前に聴いてもらったことがある)のもあって、「すんごいことになってるねこれ」とか「ほんと頑張ったんだねえ」とか「全然チープとかは感じない」とかいう感じの言葉をくれました。
が、その後に「正直よくわからん」という感じの言葉もくれました。
どちらも大体予想通りの言葉だったんだけど、でも、2回目にハイハット入りの方を聴いてもらったら、「ああ、すごい好きだわこれ、一回目よりも全然良い」という感じの予想外の言葉をくれました。
ので、作った本人としてはなおのことよくわかりません。
まあ、それもいまいち納得できない理由の一つなんですけど。
なので、「girlfriend」。
("You're my girlfriend.") ("You're my sunshine.")
2年前にできたメロディーと、歌詞を書いたときには既に知らん間にできてたメロディーと、録音する時にふらりと浮かんだメロディー、三つを歌っております。
ノートには長々と言葉を書いてるけど、実際に歌っている歌詞は最初の4行(+英語2行)だけです。
録音する直前までは8行歌うつもりで、打ち込みも元々8行分作っておいたんですけど、なんか後半の4行に全然納得できなかったり今の気分に合ってなかったりして、じゃあ4行でいいんじゃないか、その方がむしろこの曲にはぴったりなんじゃないかと。
なのに、後半の4行と、同日に書いたこっぴどい言葉の羅列も同時に載せているのは、むやみやたらとうかれた気分や明るい気分みたいなものなんかはそもそも一切込めてないという、もしかしたら人にとってはかなりどうでもいい事実を一応表明しておきたいからでございます。
裏声で延々と「You're my girlfriend」と歌っていて、最後の2行にはオクターヴ低い地声で「You're my sunshine」と歌ってます。
微妙に韻を踏んでみたり。
「You're my sunshine」に関しては、比喩は基本的に好きじゃないんだけど、これくらい陳腐な比喩ならむしろいいんじゃないかと。
ベン・E・キングもブルーノートで歌ってたし。
こっちは意図的にチープな音にしてます。
でも結構凝ってはおります。
その割にはさらりと聴けて、まあまあポップだと自分では思うので、まあまあ自分で好きです。
というか、「エンドロール」に比べたらまだ安心して聴ける。
あと、たぶん高校のときから数えたら一応今までに100曲くらいは作っていると思うんですけど、日本語に英語を混じらせて歌うのは、自分の曲ではこれが生まれて初めてです。
(後日注:上にアップしてる「ツナ~ツナ」で歌ってた・・・。)
タイトルは、英語にするかカタカナ言葉にするか結構迷ったんですけど、「エンドロール」とあらゆる面で対照的だよなあと感じたこともあって、英語にしておきました。
本当は、本当に久々の更新だしもっともっと書きたいこともあるんだけど、明日(というか今日)も朝には起きる予定なので、まあアップできただけ良しということで、寝ます。
最後に、「You're my sunshine」と歌うきっかけになった、3年以上前(「離人症」がいったん治る1ヶ月前)に書いた歌詞(というか言葉の羅列)をなんとなくタイピング。
'04.4.9
頭が割れるような静寂
つまらない言葉に火を放った
下らない言葉で火を放った
息を呑む音が響くよ
下らない言葉が胸を撃った
「君は地面を踏みつける
宇宙の外には宇宙があり
月は夜と共にあって
君は僕の太陽なんだ(君がいなくなると 胸が痛くなる)」
言葉は止むことのない雨のよう
ペーパーカップに収まる永遠の日常
どんな場所にだって行くよ
君と一緒なら
色々なものを大切に取ってきたけど
もう全部要らない
たくさん灰が残っちゃったけど
いずれ風化するよ
だからもう関係ない
・・・と書き終えかけたところで、疲れとベゲタミンによるとんでもねえ睡魔に突然襲われて、気づいたら力尽きてしまっておりました・・・。
あとほんの少しだったのに・・・。
オーノー。
御終い。
今までのポール氏の曲の中で一番聴けるのではないかと思いましたですよ。エンドロールはハイハットなしの方が好きです。んでまあ悪い曲ではないんですが「こんなのばっかり作ってたらポール氏は自殺してしまうのではないか」と大きなお世話な感想を抱いたりしたのは内緒です。ガールフレンドは普通に良い曲だと思います
基本的に寝つきが良くて悪夢を見た経験がほとんどない僕からするとエンドロールの歌詞にはどうしても「入り込めない」部分があります。前にも書いたかもしれないけど、解釈を限定させるような言葉が多いのではないかと、やっぱり思いました。なので人によってはきつくて聴いてられないってこともあるだろうし、別の人にはこれ以外ありえないってこともあるでしょう
あ、音作りそのものは相変わらず見事です。スネアの位置はもうちょっと「本当に意識しないと違いがわからない」程度のズレに留めておいた方が僕好みではあるんですが
たぶんそれくらいのことはわかって作ってるんでしょうけど、一応感想でした。
by 某katate (2007-07-01 00:17)
このブログ書いた日もその次の日もなんか100人以上の方がここを覗きに来てくださったようなんですけど、なのになんで誰も感想の一つも書いてくれやしねえのよそんなにここのブログコメントしづらいのかよというかもしかして誰も聴いてくれてなかったりするのかよなんだよちきしょうとか思ってたり思ってなかったりしてたので、感想、ものすんごく嬉しいです・・・。どうもですkatateおぢさん<(_ _)>。
で、感想なんですけど、
>「こんなのばっかり作ってたらポール氏は自殺してしまうのではないか」
まずこれ見てちょっとびっくりしましたです。今回はそんな(経験的な)暗いことを書いたつもりはなかったので。そりゃまあ曲調も歌詞もタイトルも確かにとても明るいとはいえないですけど、でも、自分の中では、「暗い要素」は、強いてあげるなら、祖父と祖父の収骨のことを考えながら「戻らない人の灰を集めて」と書いた面が少しあるということくらいで、「現実はおぞましいほどに残酷なことだらけだけど、だからといって『浅い夢を待ってる』なんて言って現実逃避せずに、残酷な現実から目を背けずに、『あくまでも自分は一人だ』という現実を直視した上で、それでも意地でも生きるべきなんじゃないか」とか、そんなことをぼんやり考えながらメロに乗る言葉を探した、という程度の感じしかないので。
なので、
>基本的に寝つきが良くて悪夢を見た経験がほとんどない僕からするとエンドロールの歌詞にはどうしても「入り込めない」部分があります
ここも結構意外でした。「入り込めない」部分があることは全然意外じゃないんですけど(3ヶ月ほど前にこの歌詞アップしたときにちょろっと書いたんですが、この歌詞は「書けた」という気はあんまりしてなくて、実は自分でも「入り込めない」)、でも寝つきの悪さとか悪夢のことは書いてないと思うのですよ。「全ては夢の中でだけ理解されて」という件とか、間接的にそういうことを感じ取れなくもない部分はあるかもしれないですけど、でもどう見てもそういうことは主題にはなっていないんじゃないかと。極端な例ですけど、僕のことを知らない人がこの歌詞見て、「この歌詞書いた人は寝つきが悪くて悪夢を見まくっているんだ」と最初に考えるかといったらそんなことはない気がするんですけど、どうなんでしょう?
とはいえ、「とても明るいとはいえない」と自分でも書いたように、少なくとも「解釈の方向」はどうしても限定させてしまう曲になってしまったとは思いますです。はい。
なので、
>人によってはきつくて聴いてられないってこともあるだろうし、別の人にはこれ以外ありえないってこともあるでしょう
ちょっと残念なんですけど、ここは完璧に同感です・・・。最後の一行なんかは特に「どんなに残酷でもそれでも『希望』がないわけじゃない」という事実も込めたつもりで、実はそこがこの曲で一番重要なことのつもりなんですけど、なかなかそうは受け止ってもらえないだろうし・・・。やっぱり「聴き手」の問題は難しいですわいな・・・。
・・・とまあ、蛇足的なことまで書いてしまいましたが、とにかく、ある程度はどう解釈されても構わないけど、でも、実は案外淡々と書いたし内容も淡々と現実を書いただけのつもりということだけは、聴いてくれた人には知っててもらいたいなあと。歌詞に関してはそれが一番でございます。はい!
>今までのポール氏の曲の中で一番聴けるのではないかと思いましたですよ
>音作りそのものは相変わらず見事です
ああでもないこうでもないとひいこらがんばったので、めっちゃ素直に嬉しいです(笑)。まさかテクノキ○ガイのkatateさんが音作りを「見事」と言ってくれるなんて・・・。ああ嬉しい・・・。好き・・・(嘘)。
スネアの位置に関しては、チャンネル数と機材と気力の関係で、オートパンニング(ランダムに音を散らせる機能)を使わざるを得なかったので、ああなりましたとです。で、この曲は、全方位に音が埋め尽くされすぎているとも思うので(特にスネア)、次は真ん中にドラムとベースと歌、左右にギター一本ずつくらいの、非常にシンプルな、スカスカした曲を作りたいとぼんやり思ったりしております。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Pale blue eyes」という曲がかなり理想に近いんですけど、あんな名曲作るにはどうしたらいいのやらあぁぁ。
>ガールフレンドは普通に良い曲だと思います
こっちは一文で終了ですかいな(笑)。でも良い曲と言われてすごく嬉しいです。どうもですペコリ<(_ _)>
にしても、いやあ、なげえ・・・。すんません・・・。
by ポール (2007-07-02 01:57)
>残酷な現実から目を背けずに、『あくまでも自分は一人だ』という現実を直視した上で、それでも意地でも生きるべきなんじゃないか」とか
あらそうなんですか。「夢」「終わり」「消え」「瓦礫」「灰」みたいなキーワードからまったく逆の「現実から夢の世界へ消えていこう」という葬送的な印象を持ちましたよ。低音がどーんとくるとことか、「うわー、死の世界」と思ったくらい
失礼な話ながら僕とポール氏の「死に関する言葉への敏感性」がずれてるのかもしれません。僕は小心者なので上に上げたようなキーワードを見るとびびります
ポール氏の歌の多くに共通する特徴だと思うんですけど、「生きている人」の匂いがしないんですよ。言葉の配置、歌、アレンジ、全部をとってみても、たとえば「生活臭」みたいなのは皆無で。そういう生きることのリアリティがないから、前向きな言葉であっても宙に浮いてしまうような印象があります
たとえば「ガールフレンド」には「生きている女の子」のリアリティがまったくないように聞こえます。「君」を「天国」に変えても歌詞のメタファーってずれてないですし(実際天国っぽい音だし)
(ちなみに僕の中の女心は「こんな風に自分が歌われたらキモイかも」という反応)
どっちの曲でも「こちら側」から「向こう側」へのアプローチの「ベクトル」だけがある、とでも言いますか。対象が観念的過ぎて実態が見えてこないです。なので、そういう世界を豊潤に持っていない人には(おそらく)まったく届かないだろうな、と思います
ツナツナが良い曲に思えるのは猫のツナにリアリティがあり、(実際にツナを見たことがない人でも)「猫とはどういうものか」という各個人の体験を媒介にして、そのありようを簡単に想像できる=感覚を共有できる、からなんじゃないかと。で、それはたくさんの人が持つ共通の生活記憶だからなんじゃないかと
まあ、リアリティのあるメタファーを使え、とは言いませんけど、「壁ができるとしたらここら辺だろうな」とも思うので、何かの参考にでも
(ちなみに客観的に見たらこのブログは(いろんな意味で)怖いので一見さんはコメントなんかできないと思いますよ)
by 某katate (2007-07-02 23:19)